率先垂範が大事ってよく聞くけど、難しいですよね。
「ある程度背中で見せないと相手が動いてくれない」
「けど現場に入りすぎても相手がサボる」
「マネージャー業務に専念できず自分だけ忙しくなる」
こんな悩みを持つ方も多いと思います。
そのうち、
「なんで俺だけこんなに忙しいんだ」
「あいつらサボりやがって」
こんな風にイライラする経験もあるのではないでしょうか?
今回はそんな方に向けて、
・現場に入りすぎない適度な率先垂範のポイント
こんなところを解説していきます。
3分くらいで読める内容なので最後までご覧くださいね。
率先垂範のデメリットとは?
結論から言うと、率先垂範のデメリットは
現場に入りすぎてしまって管理職業務がおろそかになってしまうこと
です。
「リーダーは背中で見せるべき」
「率先垂範が必要だ」
こんな風によく聞きますよね。
たしかに間違いではなくて、
自分が現場に入って実践して教えるというのは必要なことですね。
ただ毎回毎回現場に入るわけにはいかないんですよね。
あなたの本来の業務は「ヒト・モノ・カネ」を管理することなので。
ただ率先師範で現場に入りすぎるとそれが当たり前になってしまって、
現場から不満が出やすくなったりするんですよね。
「全然現場のことを見てくれない」
「いつも口ばっかりでこき使いやがって」
こんな風に。
結果的にこの圧力に負けて、
「現場に入りすぎてしまう管理職」が爆誕してしまう。
率先師範は必要だけど、管理職業務もやらなきゃだし、どうしたらいいんだよ
こんな方も安心してください。
次で、
「バランスの良い率先師範」を6ステップで解説していきます。
言い換えれば、
「背中で見せつつも現場に入りすぎない絶妙な関わり方」ともいえます。
では早速みていきましょう。
バランスの良い率先垂範6ステップ
✅まず結論から
②自分が見本を見せる
③本人に一回だけやってもらう
④作業完了後、「本当に忘れてることない?」と注意を促す
⑤「終わったら声かけて」とその場を離れる
⑥相手を認める
では深掘りつつ解説していきますね。
今回はイメージしやすいように、
部下に書類のコピーの取り方を教える
という設定の具体例で見ていきます。
①まず「分かるかな?」と尋ねる
この「分かるかな?」というふわっとした聞き方がポイントです。
これをすることで、相手に教わる態勢を取らせることができます。
世の中には、
・わかっていないのに自信満々で返事だけ良い
・わかってることを教えようとすると「それくらいわかるわ」みたいな顔をする
この2パターンの人が多い。
だからこそ、「わかるかな?」くらいのふわっとした聞き方で聞かれると、
「んー、まぁコピー機の使い方くらいはわかるけど・・・他にもなんかあるのかな?」
「自分の知らないことを求められてるなら嫌だから一応聞いておこうかな」
こんな風に相手に聞く姿勢(教わる姿勢)ができる。
ステップ①ではまずここを整えましょう。
②自分が見本を見せる
ここは「The・率先垂範」って感じですね。
まずは自分がやってそれを見ててもらいましょう。
その際、
気を付けるポイントや意識した方がいいことを口頭でも伝えておきましょう。
「文字列が斜めにならないように・・・」
「見開き中央が用紙の真ん中に来るように・・・」
「見開きの中央をしっかりと押し広げて・・・」
「資料に近いサイズの用紙を選んで・・・」
↑こんな感じで
そして、
いわゆる率先師範(自分が実際に手を動かす)のはこれだけで終わりです。
「えっこれだけ?」と思ったかもですが、
この後の関わり方が重要ですので見ていきましょう。
③本人に一回だけやってもらう
一回自分が実演したら相手にやってもらうんですが、
ここでのポイントが途中を口を出さないこと。
「あーあー、違う違う」
「全然言った通りやってないじゃん」
こんな風に思っても、絶対に口を挟まないこと。
これがめちゃくちゃ重要です。
✅なぜ口を出さない方がいいのか
=相手が思考しなくなるから
物を覚えるときってのは、
もちろん一度見ただけでは覚えられません。
実際にうろ覚えの中でやってみる
「あれ、こうだったかな。いや違うな」
「こんな画面にはなってなかったから一個戻ろう」
こんな風に少し自分で試しながら、おぼろげな記憶とすり合わせながら進んでいくこと。
これをすることで覚えるし、自分のものになっていくんですよ。
だから口を挟まない事。
口を出してしまうと、
相手が思考しながら記憶と照合する機会を奪ってしまうんですよ。
一旦最後まで一人でやらせてみること。
④作業完了後、「本当に忘れてることない?」と注意を促す
一旦全部相手にやらせてみて、そのあとで「本当にこれで大丈夫かな?」と確認していく。
「文字列が斜めになってないかな?」
「見開き中央が用紙の真ん中に来てるかな?」
「見開きの中央がしっかりと押し広げられてるかな?」
「資料に近いサイズの用紙になってるかな?」
こんな風にポイントを質問しながら一緒に見直していく。
そうすると、
「あっここができていなかった!」ってのが絶対出てきます。
この気づきを与えることが重要。
自分で考えながらやってみて、それでもできなかった部分ってのは、
いわば相手が覚えるのが苦手な部分なんですよ。
一度やらせたうえでそれを浮き彫りにすると、
強力な記憶として相手の中に定着します。
これが狙い。
⑤「終わったら声かけて」とその場を離れる
ここまでできたら、一人でもう一度やらせます。
そしてここでポイントなのが、
「上司はその場から離れる」ということ。
✅なぜその場から離れるのか
・わからなかったら聞いちゃえという甘えを無くす
・記憶を振り返る余裕を与える
上司が近くにいると、
「間違えたらなんか言われそうだな」
「なんか思われてないかな」
みたいなプレッシャーを感じさせてしまいます。
さらに、
「これってこれで合ってますっけ?」みたいにすぐ聞けてしまうことも×
あえて一人っきりにすることで、
記憶を掘り起こしつつトライする余裕を与えます。
こうやって自分であぁでもないこうでもない考えながら出した答えっていうのは、
正解不正解に関わらず、相手の記憶とスキルにバッチリ定着します。
⑥相手を認める
ここまでできればあとは反復練習させれば相手は1人でできるようになります。
そして最後。
タスク完了した相手をちゃんと認めてあげることです。
「一人でできたね、すごいね」
「もう自分のものにしたの?! 早いね!」
「こんな飲み込み早い人珍しいよ~」
こんな風に伝えてあげるといいですね。
いくら仕事を教えたとしても、
「これは自分の仕事だ」と相手に思ってもらえなければ意味がないです。
ここができていないと、いつまで経ってもあなたが現場に入り続けないといけなくなってしまう。
相手を認めてあげることで、
「あなたは一人前です」
「この仕事は今後あなたに任せます」
こんなメッセージを届けることができます。
そうすることで、
この仕事の役目は、あなたから相手へ移行するというわけです。
指導する際のNG行動2つ
最後に指導する際のNG行動を2つ紹介します。
①一気に教えすぎる
例えば以下のような指示出しを受けたらどう感じますか?
まず長すぎて聞く気がしませんよね。
さらに指示が多すぎて、どんなにメモを取ったとしても消化するのは難しい。
今のは極端だったとしても、
こんな風に指示を欲張ってしまう上司って結構多いので、ここは注意しましょう。
僕は同時に指示出すときは常に1個か2個までに絞ると決めています。
②すぐ丸投げ
一回教えただけで、
「じゃああとはよろしく」といって丸投げしてしまうこと。
もちろん最終的には相手に投げるんですが、
はじめのうちは必ずフィードバックをしましょうね。
やらせる⇒フィードバック⇒やらせる⇒フィードバック・・・。
これを繰り返した後に、最終的に「あとはよろしく」と任せるのが正解です。
まとめ
ということでまとめです。
率先垂範のデメリットは、
現場に入りすぎて管理職業務がおろそかになること。
✅そうならないための指導の6ステップ
②自分が見本を見せる
③本人に一回だけやってもらう
④作業完了後、「本当に忘れてることない?」と注意を促す
⑤「終わったら声かけて」とその場を離れる
⑥相手を認める
指導する上で、
率先垂範は絶対に必要です。
ただ一歩間違えるとチームが崩壊してしまう。
今回のポイントを意識して、
バランスの取れた指導ができるよう意識してくださいね。
それではまた次回!
※今回の参考文献
X(旧Twitter)⇒ponyo1125
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